2026年10月6日、INT2とVNU-ITIの共同研究拠点であるNexus Labが主催するAI Lunch & Seminar Seriesは、フンイエン省科学技術局において、人工知能(AI)の実務活用とデジタルトランスフォーメーションをテーマとする意見交換会を開催しました。省内の複数の部局・関係機関に加え、フンイエン省で事業を展開する大手企業のR&D部門などが参加しました。
今回の会合は、ベトナム国家大学ハノイ校(VNU Hanoi)の元副学長であるPham Bao Son准教授が、フンイエン省人民委員会副委員長として新たな職務に就いた直後に開催されました。Pham Bao Son准教授は、自然言語処理を中心とするAI研究者で、オーストラリアのUniversity of New South Walesで学士課程から博士課程まで学び、1994年と1995年の国際情報オリンピックで2年連続の銀メダルを獲得しています。VNU Hanoi在任中は、Large Language Model(LLM)を含むAIの研究・実装や、AI Lunch & Seminar Seriesの活動を継続的に支援してきました。

Nexus Lab側の参加者は、INT2 General DirectorでNexus Lab代表のNguyen Viet Cuong博士が率いました。参加した研究者は、VNU University of Engineering and TechnologyのInstitute for Artificial IntelligenceおよびFaculty of Information Technology、Hung Yen University of Technology and Education、The University of DanangのVietnam–UK Institute for Research and Executive Education(VNUK)、Thai Binh Universityなどに所属しています。
議論の中心となったのは、行政機関や企業がAIを実際の業務に導入する段階で直面する具体的な疑問です。AIに適した課題の見極め、データと計算基盤の役割、ツールを試験・評価する方法、情報セキュリティ上の要件、さらにAIを単発の実証にとどめず業務プロセスに組み込むための体制や人材について意見を交わしました。

会合は一方向の講演ではなく、質疑と自由な意見交換に多くの時間を充てる形式で進められました。フンイエン側から寄せられた疑問に対し、研究、システム構築、実運用の各観点から検討し、AIが具体的な業務を支援するために必要な条件を整理しました。同時に、AI導入を行政機関や企業におけるデジタルトランスフォーメーション全体の中で位置付けることも重視されました。

AI Lunch & Seminar Seriesは、Nexus Labがベトナム国家大学ハノイ校Xuan ThuyキャンパスE3棟で主催するランチタイムの討論シリーズです。ベトナム国内外のAI動向を短時間で共有し、発表を簡潔にして議論の時間を確保することを重視しています。通常は毎月第2・第4木曜日に開催し、午後2時までに終了する運営方針です。
今回のフンイエンでの会合は、ハノイの通常会場で行ってきた形式を外部に広げ、AI活用を具体的に検討している行政機関や企業の現場に近い場所で技術的な議論を行う機会となりました。
参考: フンイエン省科学技術局